地味子な私と、人気者の彼
「ウジウジしてるいつもの私を変える為にも……頑張ろっか」
まるで自分に言い聞かすようにした後、大きく深呼吸をした。
ただビニール紐を切るだけなのに胸がザワついているのはなんでだろう?
「考えても仕方ないっ」
チョキッ、といとも簡単に切れたビニール紐は、普通の本と全く変わらなかった。
本の中に吸い込まれるわけでも、悪魔か天使が現れるわけでもなく、あっさりとその場にへたっている。