地味子な私と、人気者の彼


「――ですよね」



 さっきの本屋での出来事があったから、不思議な事が起こったとしてもおかしくないって思っていたのに……

 
 変に腹をくくっていた自分が少し恥ずかしく思えてきてしまった。


 ――が、やはり不思議な本には変わらなかったらしい。


「何これ?」


 表紙にはおまじないとしか書かれていなかった。


 絵も何もなく、ビニール紐に巻かれていたときと全く同じ。

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