地味子な私と、人気者の彼

 和やかに談笑したその日の帰り道、私は一人で帰っていた。 


 ユキちゃんは部活があって、新入部員の勧誘だかなんだかで忙しいとか……。


 後輩が出来てから数週間経つのに、私はまだ一年生な気分。



「そういえば……あの本屋どうなったのかな」


 確か右側の道にその本屋があったハズなので、そっちの方を気にしながら歩く。


 ――けれど、歩けど歩けど一向にその本屋が見あたらない。

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