それはまるで腐敗した果実のように
林檎
林檎のジュースだった。
私は正直戸惑った。
なぜなら私は彼女との面識がほとんど無かったからだ。
悠希はその男らしい名前の通り、
ショートカットで眼鏡をかけていて
下手な男よりずっと魅力的な女子だった。
「え、良いの?」
「うん」
彼女はとても口数の少ない人だった。
とはいえ別に人と話せない訳ではないし、
むしろ皆の憧れの存在だ。
ただむしろ彼女から孤独を好んでいる為、いつも彼女は独りだった。