青春跳び蹴り

また素直に泣けなかった。

高校生として最後の1年を、
ただ時間を消費するだけで
生きている気がするこの頃。

夏が近付いて梅雨へと入って
一週間がたった今日。

感動モノの映画を見た。
内容はなかなかのもので。
グッとくるような場面が
何度も訪れ視界がぼやけた。

映画館や家で1人で見てたなら
素直に泣いただろうけど、
今は英語の授業中だから泣けない。

「…。」

はぁ、何で泣けないんだ。
意地っ張りで強がりな私は、
人前で泣くことを酷く嫌う。

家族にも恋人にも友達にも
あまり見られたくない。

泣き顔が不細工とか、
そんな理由じゃなくて。

ただ、プライドみたいなものが
泣くのを見られることを許さない。
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