青春跳び蹴り
馬鹿みたいな会話を延々と
繰り返しながら教室へと
ベタベタした空気の中を歩く。
谷井は私が信頼する数少ない
友達の1人で、馬鹿だ。
でも、そこがいい。
私を女として扱わない人、
ベストスリーに入る。
「やばい。暑い。暑い。」
さっきから暑いとやばいしか
言わない谷井は本当に
暑さに弱いらしい。
「頭、大丈夫?谷井?」
見るからに悪そうな脳みそが
沸騰していそうで心配だ。
「今、絶対失礼なこと思ったでしょ。
かなり悪い笑みしてたよ。」
「うわ、ばれてる。」
「お前覚えとけよ。」
私と谷井は、こんな会話しか
しないから口が悪い私からすると
谷井と話すのは基本的に楽だ。