愛乗りシンドバッド
聞くしかない。
こいつのことが
どんどん知りたくなってくる。

「なあ、あんたは何者だ?
アッバース朝の
王だって言ってたけど、
それは本当なのか?
まだ俺に言ってないことが
あるだろう。
この際だ。
胸の内を教えてくれ」

「……む、胸の内って。
……Eカップだけど」

そんなボケは
求めちゃおらん。

「……ふ、本当はあまり
言いたくないんだけどな。
やっぱりハヤトには
言わなきゃいけないか」

ハルはサングラスを外すと、
ルフの羽根を使って
棒高跳びみたいに
空から俺の後ろに回り込み、
そのルビーのように
きらめく瞳を爛とさせて
顔を近づけてきた。
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