愛乗りシンドバッド
電話を切ると
呼吸を肩で
していた事に気づく。

別れたなんて言っても
今の今まで
付き合っていたのに
そんな簡単に
切り替える事なんて
できないって。

あーっ、もう。

俺はあいつが好きなのに
どうして別れなんて。

静かな部屋の中には
せわしない蝉の声が
うるさく響いてきていた。

そして彼女の…
いやモトカノが残した
クマのぬいぐるみが
満足気にベッドで
寝ているのが
なんだか心をかき回す。

俺はとりあえず
そいつをベッドから
引き上げて
部屋の隅に投げた。
< 2 / 188 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop