愛乗りシンドバッド
更にそいつは立ち上がると
落ちてきた場所を
見上げながら言う。
そこにはよく葉が茂っている
街路樹が立っていたが
落ちてきた所だけ
木の枝が抜けていて
夜空が広がっていたのだ。
見ると周りには折れた枝や
葉っぱが散乱している。

「住み慣れた国を抜け出し
星に導かれてこの時代に
やってきた。
荒涼とした大地は
そこにはなく
恐ろしく発展した文化に
張り巡らした交通網。
人類は数で他を圧倒し
世界を支配したようだ。

……そんな中、
お前に出会ったのは
きっと運命だろうな。」

……俺は生きてるのか?

緊張で固まった体を動かして
あちこちを触って感触を
確かめる。
死んでオバケになった
なんてオチはないよな。
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