0-WORLD
蒼い君へ
安っぽい電飾が光る口付けへの扉を開けると、其処はエロスの巣窟。
紫に照らされた薄暗い店内に、前衛的なモードファッション。奇抜なデザイン、奇抜な色がせめぎあう洋服たちは、何処までもエロチックで、その上に芸術的だった。
シャンとぶつぶつ言い合いながらたどり着いたのは『kiss』というブティックだった。
此処のマヌカンのデューシイという男は俺の友人で、キリエの居場所でもある此処は俺たちのたまり場だった。
そして、このブティックの地下にライが診療所を構えてる。所謂闇医者だ。
「ジル、居るか」
人っ子ひとり居ないように思えるこの空間には、いつも誰かが居る。それはデューシイだったり今俺が呼び掛けたジルだったりする。
カウンターから現れたのはジルだった。顔だけ覗かせジルはまんまるい目を大きく見開き眼鏡越しに俺たちを凝視してる。不思議ちゃん。そんな呼び名では甘すぎる。彼女はヒトコトで表すならそう、『イカれてる』
「ジル、ライに用があって来たんだが…開いてるか?」
「…?」
彼女はただ首を傾げ、俺たちをやっぱりしげしげと眺めるだけだった。
穴が開くほど見つめられる。このジルという女からいつも。高揚と崩壊と暴走。彼女を知るにはまずこの言葉をしっかり焼き付けて彼女とコンタクトすることだ。解らなければやがて、ジルの心の扉が閉まる。
紫に照らされた薄暗い店内に、前衛的なモードファッション。奇抜なデザイン、奇抜な色がせめぎあう洋服たちは、何処までもエロチックで、その上に芸術的だった。
シャンとぶつぶつ言い合いながらたどり着いたのは『kiss』というブティックだった。
此処のマヌカンのデューシイという男は俺の友人で、キリエの居場所でもある此処は俺たちのたまり場だった。
そして、このブティックの地下にライが診療所を構えてる。所謂闇医者だ。
「ジル、居るか」
人っ子ひとり居ないように思えるこの空間には、いつも誰かが居る。それはデューシイだったり今俺が呼び掛けたジルだったりする。
カウンターから現れたのはジルだった。顔だけ覗かせジルはまんまるい目を大きく見開き眼鏡越しに俺たちを凝視してる。不思議ちゃん。そんな呼び名では甘すぎる。彼女はヒトコトで表すならそう、『イカれてる』
「ジル、ライに用があって来たんだが…開いてるか?」
「…?」
彼女はただ首を傾げ、俺たちをやっぱりしげしげと眺めるだけだった。
穴が開くほど見つめられる。このジルという女からいつも。高揚と崩壊と暴走。彼女を知るにはまずこの言葉をしっかり焼き付けて彼女とコンタクトすることだ。解らなければやがて、ジルの心の扉が閉まる。