0-WORLD
「HEY!ライ!来たよ!お世話になりますっ!」
世話になる気なんかさらさらないのにな。
いちいち大声あげないで欲しいもんだ、この女は全く…。
シャンが勢いよくドアを開けると、其処には階段の薄汚さなど存在しない清潔な医務室があった。椅子に座りこちらを見てにこやかに微笑む人物。少し長めの髪をひとつに結んでいる、とても闇医者には見えないその人物が、当のライだった。
「やあ、シャン。それにゼロも。その様子じゃ、またいつもの用件だろう?」
にこやかに笑うライの顔には闇医者らしい邪気がない。
当たり前か、なにせキリエと共にこの下層街のナイチンゲールを勤めるのだ、邪気むんむんの奴とキリエが組む訳がない。
蒼に包まれた清潔で無機的な空間はある時俺を圧倒する。慣れてないんだ、やっぱりあの泥臭い街に寝転んでいたい。できるならば、余り此処には足を運びたくないんだ。…本音は。
両手を大きく広げたままシャンはライに近付きバグをした。ライはいつもの照れ顔でそれを不器用に受け止める。30越してるのに、ウブな奴だ。
「ライ、まったゼロが喧嘩したんだよう。バッカみたいだよねえ、だから今日もお灸、据えてやって?」
俺の横でジルがあくびをするのを感じた。
ジルはいつも隠さず天晴れな大あくびを俺たちに見せてくれる。
世話になる気なんかさらさらないのにな。
いちいち大声あげないで欲しいもんだ、この女は全く…。
シャンが勢いよくドアを開けると、其処には階段の薄汚さなど存在しない清潔な医務室があった。椅子に座りこちらを見てにこやかに微笑む人物。少し長めの髪をひとつに結んでいる、とても闇医者には見えないその人物が、当のライだった。
「やあ、シャン。それにゼロも。その様子じゃ、またいつもの用件だろう?」
にこやかに笑うライの顔には闇医者らしい邪気がない。
当たり前か、なにせキリエと共にこの下層街のナイチンゲールを勤めるのだ、邪気むんむんの奴とキリエが組む訳がない。
蒼に包まれた清潔で無機的な空間はある時俺を圧倒する。慣れてないんだ、やっぱりあの泥臭い街に寝転んでいたい。できるならば、余り此処には足を運びたくないんだ。…本音は。
両手を大きく広げたままシャンはライに近付きバグをした。ライはいつもの照れ顔でそれを不器用に受け止める。30越してるのに、ウブな奴だ。
「ライ、まったゼロが喧嘩したんだよう。バッカみたいだよねえ、だから今日もお灸、据えてやって?」
俺の横でジルがあくびをするのを感じた。
ジルはいつも隠さず天晴れな大あくびを俺たちに見せてくれる。