夏の香り
NO1ホスト真人
緊張したせいか私は慣れないハイヒールが脱げてしまい、つまづく
「痛っ!」
「大丈夫ですか?姫」
低いトーンの声
「あっすいません、大丈夫で。。す」
私は顔を上げた
そこには白いスーツを着た優しい顔をした彼が私の手をとり
「ハイヒール慣れてないんだね」
私はトイレに行くのも忘れ再び座ると
「ようこそ、遅れてすみません、真人(まひと)と言います」
「えっと亜紀さんと奈央さんですよね」
亜紀は
「はぁーい亜紀は私で~す」
「奈央をお願いしま~す」「ちょっと亜紀!」
「いいじゃないよ奈央はno1を独り占めしなよ!あたしが許す!」
ますます酒がまわってきたみたいだ。
「帰りたいな。。」
私は彼の顔を見れずにいた。
すると真人は
「俺、奈央さんを笑わせたいな」
「実は俺も笑うの下手で」
「奈央さんと俺似てるかもね。。」
そう言うと私の空になったグラスを持ち
「奈央さん、今日無理してるでしょ?」
「分かるんだよね~実は俺も無理(笑)」
「えっ」
そう言う彼の顔を見ると
「あっ奈央さん、初めて目合わせたね」
「嫌われたと思った」
「フッ」
「奈央さん笑った!」
「そんな、おおげさです」
そんな彼のペースに、時間も忘れた。
「もう帰らなきゃ」
「オーナーすいません、楽しかったです」
「亜紀!帰るよ~」
すっかり酔った亜紀はオーナーにかかえられ私達はタクシーに乗った。
「奈央さん、また会えるよね」
真人は低い声でタクシーのドアに手をかけ、そう言った。
私は何も言えないままでドアがしまった
社交事例な言葉は分かっていた…



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