あなたに届け
「俊弥」
「京、どうした?」
「会いたくて会いに来ちゃった」
「そっか…」
「なに?迷惑だったの?」
「そんなことないよ」
「今日、バイト終わり時間ある?」
「ごめん、ないんだ」
「チッ」
「さっきレジ下で頭強打してさ」
「大丈夫?」
「痛いから触んなよ~」
「うわぁ、腫れてるよ」
「いてて」
「気を付けなきゃダメだよ」
「うん」
「さ、なんか買って帰ろ」
「お前の好きなやつあるからあげるぞ」
「ちょうだい♪」

俺はレジ下のカゴを足でたぐりよせて京に渡した

「んじゃまた明日ね」
「バイバイ」

京が帰り俺はレジ下の桃夏に声をかけた

「ごめんな」
「いいよ」
「まさか来るとは思わなかったからさ」
「気にしてないよ」
「桃夏?」
「ほら、ちゃんとバイトしなさい」
「ん、俺、店内清掃してくるから」
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