アセトアルデヒドの悪戯(イタズラ)
「これが、メジャーカップ」

先に行くほど開いた形の銀色の筒、底を共有させてくっつけた感じの形。

そのカップを、正樹は指ではさんで持った。

「ドライジンを4分の3。だから、メジャーカップの大きいほうに一杯、ドライジンを入れる。こうやって分量をはかりとって、シェーカーに、入れるんだ。次は、ライムジュースを、4分の1、だから、小さい方に半分。はかったら、シェーカーに。材料を入れたら、シャーカーのボディーほ8分目くらいまで、氷を入れる。それから、ストレーナーをはめて、トップを乗せる。で、シェイク」

言うと、シャカシャカと、小気味良い音をたてて、若干オーバーアクションに振った。

「かっこつけやがって、とか思ってるだろ。本当に、こうやって振るんだ。15回くらい。シェーカーから冷たさが伝わってくるくらい」

それを、正樹は、逆三角形な形のグラスに注いだ。

「これはカクテルグラス」

そういえば、”作って”といいながら、自分で作ってしまったな。

「こんばんわ~。きゃー、正樹だ」

さわがしい客が、入ってきた。

派手なメイク。

短かいスカート。

そおして、既にだいぶん飲んでいる。
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