アセトアルデヒドの悪戯(イタズラ)
彼女はカウンターの、正樹の正面にぴたっと座り込んだ。

「ねえねえ、正樹~」

白亜は、チラリと正樹を見た。

正樹は、実は、こういうタイプが苦手だ。

なのに”嫌”をはっきり言えない正樹は、こういう人に、押し切られてしまうフシがある。

そして、結局、白亜が・・・

「ねえ、いいじゃん。お店他の子にまかしちゃいなさいよ。あたしと飲みに、行こうよう」

正樹は笑ってる。

ダメだ。

腕、つかまれた。

これ、もう、断れないな。

白亜は、すっと息を吸い込んだ。

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