アセトアルデヒドの悪戯(イタズラ)
「すいません、お客様」

ニッコリ、を貼り付けて、白亜は、カウンター越しに、正樹の腕に絡みついた、彼女の手をつかんだ。

「店員に、お手を触れないでいただけますか?」

ぐっと、手首をつかんだ手に、力を加える。

「いたたた」

彼女は、正樹から、手を離した。

「何すんのよ!!」

「わたくし、バーテン兼、ボディーガードなんですよね。今のは触っただけ。けど、あんまりひつこくすると、きっちり痛い目、みちゃいますよ」

彼女は、白亜をキッとにらむと、立ち上がり、何だか、暴言を吐いて、店を出て行った。

他にお客はいなかったので、店の中がシーンとした。

正樹がじっとりと、白亜をみる。

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