文系男子。
「…ああ、好きだ」
真朱は俯いた。
俺は男の紅い眼を見て答えた。
男は、喉の奥で笑い、俺に何かを蹴って寄越した。
足元に滑って来た物を手にとった。
滑って来た物ーーー太い、サバイバルナイフ
「…こいつが好きなら、」
腕の一本や二本、どってこと無いだろ?
「は?」
今何つった?
「…腕自分で二本目切るのは無理か」
「何…言ってんの、ジ……」
真朱が男に顎を掴まれて、上を向かされる。
小さく息を飲む音がした。
男は優しく笑ってるのに、ナイフの刃の輝きは鋭い。
「何か言った?お嬢さん」
「…なんで、そんな事言うの」
「俺が楽しむたーめ」
真朱の耳元で楽しそうに囁く。
「頭可笑しいんじゃないのか」
「ああ、よく言われるよ」