文系男子。

[竹之内]

『丸腰で行くつもりか?』

『当たり前だろ』

松葉に言うと、無言で銃を押し付けられた。
手に取ると、思ったよりもずっしりと重みがあった。

『ジョーヴェがこんなオモチャで死ぬとは思えないが、まあ、気休めだ』

ーーーー持ってけ

松葉はそれだけ言って、体育館の方に向かって行った。


「…そのオモチャ、誰に貰ったんだ?」

「メルクーリオ…だったかな?」

「は。そうかよ…」

喉の奥で笑っていたが、やがて堪えられなくなったのか、声を上げて笑い出す。

「はは…あーあ、相変わらず面白えなあ、あいつは」

「何が可笑しい?」

「それで俺を撃て、って?笑っちまうなあ」

すると、何人かスーツを着た男が入ってきた。

「てめえら、覚悟しとけよ!」

威勢の良い声。
緋色の髪の若い男が眉間にシワを寄せ、怒鳴っている。
片方は手錠で繋がれ、繋がった先にはーーーー

銀髪で、青色の瞳の、綺麗な、ーーーーー男?

青の、艶やかな着物を着ている所為で、中性的な印象を受ける。

前に聞いた青一という人だろうか。

「ギャラリーが居た方が楽しいだろ?」

はっきりわかるのは、


ーーーこいつは、イカれてる。

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