文系男子。

[真朱]

坂本がこちらを見て、驚いた様な顔をした。
ジョーヴェはケラケラと笑いながら、言う。

「あー思い出したんだけどなあ、竹之内。お前結構面白い人生歩んでんだな」

竹之内が顔を上げた。

「まず最初にー、父親が事故で死んだ」

指を折りながらジョーヴェは続ける。

「次にぃ、母親が寺田の娼婦だったかな?」

坂本が綺麗な男の人と顔を見合わせる。

「…誰から聞いた」

「ウイスタリア、分かるだろ?」

歓楽街の身売り宿な。
今は辞めたけどそこで働いててーーー

「…黙れ」

「顔見たけどあんま可愛くねえな」

俺のタイプじゃない。

「んでー、その母親と再婚した父親はーーーー岡田の、幹部」

つまりヤクザ。

「その父親も呆気なく」

ジョーヴェは首を掻き切る真似をして、舌を鳴らした。

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