文系男子。

「色々ぐっちゃぐちゃなのねえ、お前の家族」

流石の俺も同情するわ。

涙を拭う素振りをしたジョーヴェは、あたしの手を取ると、竹之内の前に立たせた。

「なに…」

「やっさしい俺は、お望み通り彼女を彼氏に返すよ」

あたしの右手と竹之内の左手に鎖をかけたジョーヴェは、目の前で、手錠の鍵を窓の外に投げ捨てた。
ガサッと鍵が木々に触れる音がした。


「お家には帰れないかもしれないけどね」

< 195 / 253 >

この作品をシェア

pagetop