文系男子。
[坂本]
道場に竹之内と書かれた防具があった理由は、そういうことか。
右手で握った銃をぷらぷらと振る。
それと、これもやっぱ、おかしいよな。
再度紅い目の男を見ると、目を細めた。
「なんでそんな事しなきゃならないのよ!」
真朱が男に言った。
「だから、面白いからだって」
男がへらりへらりと笑いながら返す。
ーーー違う。
他に何か考えてる…?
スーツを引っ張られる感触があった。
俺は竹之内たちの方から顔を逸らさず、青一の手を上から握ってやった。
微かに震えている手の甲を優しく親指で撫でてやる。
相変わらず、男の仲間が俺らを取り巻いていて、下手に動けない。
男の考えが読めないが、此処は大人しく場の流れに乗っておこうか。
俺は深呼吸をすると、竹之内に銃を向けた。