Pinky
アンリに車のカギを持たせて
集合時間にギリギリの俺は
慌ててロッカールームに飛び込んで


練習着に着替えて
レガースを持ってスパイクをはく。



もうみんなは集合して
監督を囲んでいた。



「すみません」

俺もその輪に駆け寄った。



練習が始まって
俺は気持ちが高鳴っていた。

アンリが日傘をさして
俺の方を見ている。


プレッシャーだけど
いいところを見せたいと
必死になっている。



紅白戦が始まると
アンリが

「和人 いけ~~~」と声をあげた。


俺が得点をしたり
からんだりすると


アンリは飛びあがって喜んだ。


俺はすっかり有頂天で
ピンキーの存在を忘れてしまっていた。



今日の練習に連れていくって
そう言ったのに……



俺は事の重大さに
まだ気づいていなかった。
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