Pinky
高速を降りたら
急に大粒の雨が音をたてて
振りだしてきて


すぐに雷が鳴り始めた。



 帰ってるかな


車の前方も見えないくらいの
視界の悪さで


「これはヤバイ……」


俺も運転に緊張した。


前の車のランプを頼りに
雷の音を聞きながら


 今頃 怖がってるだろうな



あの出会った日のように
どこかでうずくまっているんでは
ないだろうか・・・・・・



音をたてて
雨が一本の線のように
フロントガラスに叩きつけられた。



「部屋に戻ってますように」



焦る心と裏腹に
雨がさらに視界を遮った・・・・



飛びあがる雷鳴
車の窓を閉めていても
振動が伝わってくる。



「俺でも怖いわ・・・・・」


雷が俺の不誠実さを
怒ってるような気がした。
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