Pinky
建物の前に人がいた。


「すみません・・・・
木村 和人 はいますか?」



「木村?」

男の人は一瞬困った顔をした。


「木村はずい分前に帰ったよ。」


「え・・・帰ったんですか?」
私は茫然となった。


やっと辿り着いたのに
和人がいないということに
ショックを受けていた。


「わかりました・・・・
ありがとうございました。」


そう言うのがやっとだった。


その後ろから
また数人の男の人たちが
やってきた。



「木村の連れてきた女
めっちゃ・・・いい感じだったよな~」


「サングラスかけてても
あれは絶対いいよ。
うらやましいーな。
ゲームの時も大声で応援してたし…」


「木村もデレデレしてたよなー
あいつら急いで帰ったけど
どこいったんだろーな」



その人たちが近づいてきたら
カギを持ってる人が


「忘れ物ないのか?」

と話を遮った。



 アンリさん・・・・・?


私はもう涙をこらえきれなかった。
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