Pinky
 カチャン


乾いた音が玄関でなった。



俺は慌てて
玄関に飛び出すと


ドアが静かに開いて
そこからピンキーが入ってきた。



「ピ・・ピンキー!!!」


俺は大きな声をあげた。



「ごめんなさい…心配かけて…」

洋服も泥だらけで
顔はさらに真っ白になっている。



「どこにいたんだ?」



「雷が怖くて・・・・
どこかの公園の遊具にもぐりこんで…
でも外に出るのが怖くて……
そこにずっといたの。
小雨になってやっと
帰って来れた……」



俺はピンキーを抱きしめた。



「帰ってきてくれたんだ…」

情けない声で言うと


「私の帰るとこは
生きている間……
和人さんのとこしかないよ。」


ピンキーの声も震えていた。
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