Pinky
アンリに教えられた病院は
海の見える高台にあった。



マスコミに見つからないように
隠したこの場所は
本当に一瞬見て病院とは
思えないような
別荘のような建物だった。


アンリの携帯に電話をしたら


「裏口のカギを開けてあるから
そこから入ってきて・・・・。
誰にも見つからないように……」



 俺は不法侵入者か……


冷や汗をかいた。


まさかこんなことになるなんて
思ってもいなかったから……
映画と同じ
息を殺しながら
俺は言われた通りに階段で3階まで
駆け上がった。



 体力つけといてよかった



緊張感と体力を一気に
使い果たして
アンリが部屋のドアを開けると
部屋に倒れ込んだ。



「和人・・・・・」

アンリが俺の名前を読んだけど
返事ができないくらい
息切れがしていた。
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