Pinky
携帯の音が闇に鳴り響いた。



「出て・・・・」

ピンキーが目を閉じた。


俺はピンキーから離れて
電話に出た。



「和人…これから
壁を超えるからね・・・・。
見てて……
和人のために歌うから……」



「アンリ……」



「聞いててね…」



そう言って電話が切れた。




  歌番組の時間だった。




「アンリが歌うって・・・・
テレビつけていいか?」


俺が言うと



「私も聞きたい……」



ピンキーが笑った。



テレビの光が部屋に広がった。



アンリが立っていた。
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