Pinky
アンリが歌い終わった。


ホッとした笑顔と同時に
アンリは涙を流した。


そして
「ありがとう…」と言った。




俺も
アンリに向けて

「ありがとう…」と言った。



画面からアンリが消えても
俺はそこから目を
離せなかった。




稲光がまた部屋を一瞬明るくした。



ピンキーが苦しんでいる姿が
俺の目に飛び込んできた。




「ピンキー!?」



俺はピンキーに駆け寄った。



「大丈夫か?」




「うん……
アンリ…さんの…曲
素敵だったね……
優しい愛の歌……
きっと和人に作って…和人のために
歌った…んだね…」



俺は泣きそうになった。


俺を見ていてくれたピンキーに
男として
何もしてやれないくせに
新しい恋が
体の中で燃え上がっている・・・



< 219 / 231 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop