Pinky
「何もしてあげられなくて…
おまえはずっと
俺のためだけに頑張ってきたのに
俺はそんなおまえの
願いも聞いてあげられなくて……」



「いいよ……
和人のそういうとこ好き…
彼女だったら
めっちゃ嬉しいよ……」



「その痛みだけでも
なんとかしてやれれば……」
俺はピンキーの腹をさすった。



「安心して・・・・・。
今 和人がどんなに辛くて悲しくて
罪悪感に満ちていても
私が死んだら
全て終わるからね……
和人に辛い思い出は残さない……」




「何言ってんだ?」



「私が和人の人生に
かかわりすぎるなら……
神様が最後に条件を出したの。
和人の心の中の
私・・・・・ピンクの
思い出も全てけしてしまうって…
誰の心の中にも
私は残らない・・・・・。
和人にもアンリさんにも
修杜さんにも
そしてつぐみちゃんにも……
おとぎ話は
おとぎ話のまま……
もう少しで…本当のお別れがくるから…」



俺は頭を何かで
殴られた気がした。



「ちょっと…ちょっと待って…」




「私ね…幸せだった
和人に会えて……
私は忘れないから……
あなたと暮らした日々を……
そしてこれからもそばにいるから……
あなたが幸せになるように祈っているわ。」




ピンキーはそう言い終えると
激しく苦しみ出した。



俺はパニックに陥った。
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