Pinky
「ありがとございま~す」


そう言うと
その人は俺のいうとおりに
図々しいと思われるくらいに
俺の部屋に上がりこんだ。



俺はTシャツと短パンを風呂の前に置いた。
洗濯機は俺に言われた通りに
まわっている。




 変な女・・・・・



自分が風呂に入りたかったのに
俺は裸になってバスタオルで拭きあげた。


知らない人を部屋に
一人にするわけにはいかないから


 まいったな・・・・・



パソコンデスクの前のピンクの写真と
目があった。



「どこいったんだよ…
おまえを探しに行ったのに
おかしなものを連れてきちゃったし…」



ピンクのきれいな
写真の鼻先を
指でおさえた。


「生きてるよな?ピンク…」



鼻につーんときて
また目が充血してきた。

「絶対また俺の前に
現れろよ・・・・・。
まだ一杯聞いてほしいことあるんだ。
俺を一人にしないで…」


人がいることを
忘れて
俺はピンクのお気に入りのタオルを
抱きしめた。


白い毛が・・・・
ついさっきまでいたピンクが
そう思うと声をあげて泣いてしまった。
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