Pinky
「木村~今日いくべ?」



「悪い…俺さ…猫いなくなって
それどころじゃねーんだ。」



「死んだのか?」

後から声がした。
「猫は死に目を飼い主に
見せたくないんだってよ。」言った
上司だった。



「あ…いえ…
それが…本当にいなくなってしまって…
あんな体であの雨の中
どうしてるのかと思うと…」


もう泣きそうになってきた。


「もうきっと…天に召されたよ。
ある意味おまえに見られなくて
猫も喜んでるかもよ。」


「また会いにくるためって
知ってましたか?」



「だってな~
俺もそう聞いたよ。
おまえは信じて待ってればいいんじゃないか」



「まさか・・・
そんなこと・・・・」



「いや…
それは悲しみを紛らすための
話だと思うけどな。
信じることで
いつまでもクヨクヨするなってことだよ。」


上司の言葉に


 なるほど……


大きくうなづいた俺だった。
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