愛してるを心から
まるで、本当のようで凄く恐ろしかった。
涙が、溢れそうになる。
ぐっと、堪えた涙の代わりに、落ちたのはたくさんの汗の雫だった。
私は、息を整えた。
そして、乾いた喉を潤おそうとリビングへと向かった。
と、一番下まで降りたとき、誰かがいることに気がついた。
カリカリと音をたてて、シャーペンを動かす。
「・・・良兄?」
私の問いかけに、こちらを向いた。
良兄は、一瞬驚いた表情をした後、優しく笑った。
「裕子、なんだ起きたのか?」
わざとらしくそう言った良兄。
私は、驚いて良兄を見た。
「起きたって・・まさか覗いたの!?」
怒りと共に、恥ずかしさが私を襲う。
アタフタとする私を、今度は馬鹿にしたように良兄は笑った。