愛してるを心から
そこは、地獄だった・・。
狂ったように、笑う結城。
一緒に出たはずの良兄は、離れた道のところで倒れていた。
トラックが変に止まっていて、運転手らしき人が、良兄になんども呼びかけている。
何もかもが抜けたように私はただ呆然とその様子を眺めるだけだった。
音に気がついて出てきた人たちが、救急車を呼ぶ。
隣に住んでいる満くんと、そのお母さんも音を聞いて飛び出してきた。
「・・・裕子ちゃん!」
自分の名前が呼ばれたとたん、出なかった涙が溢れた。
隣で笑い続ける結城は、近くのおじさんたちに連れられていった。
「・・・お兄ちゃん!お兄ちゃんが、お兄ちゃんーがぁ!!」