愛してるを心から
我に返ったように、茉莉ははっと目を見開き、私を切なそうに見つめた。
その瞳は、「ごめん」と言っているようで、悲しくなった。
茉莉は、どうしちゃったの?
心から、体全身まで茉莉でいっぱいになった。
苦しんでる茉莉を見るだけで、私の小さな体は破裂しそうに膨れる。
茉莉は私から顔をそむけ、うつむいた。
「・・・帰る」
ただその一言だけ発して、部屋をでようとする茉莉。
「待って!」
自然と私は茉莉の手を掴んでいた。
震える手で掴んだ茉莉の手は、私とよりも激しく震えていた。
「離して」
「やだ」
「裕子・・お願い離して」
「やだよ」