愛してるを心から
「・・おいで・・」
両手を広げ、私は茉莉をみつめた。
一瞬驚いた表情を見せて、そしてさっきよりも更に涙を流して茉莉が私の腕の中に入ってきた。
ぎゅっと抱きしめる。
泣かないで、泣かないで茉莉。
辛いなら、悲しいなら私に言って?
それで、重いものが取れるわけじゃないかもしれないけど、それでも少しでも茉莉の気分が晴れるなら・・・。
私は、いくらでもそばにいるから・・・。
茉莉は、その後も泣き続けた。
夕日が沈んでいく。
辺りが、暗くなり始めたとき茉莉がだんだんと落ち着いてくた。
「・・裕子、ありがと」
ごめんね、と茉莉は手で涙を拭き取った。