愛してるを心から

■祈り■





翔と別れてから、もう何日経っただろう。




夏休みも終わり、今はもう体育祭の練習が続いている。



「裕子、何ボーとしてんの?グランド行くよ」



茉莉が私の手をひいて走る。



茉莉には彼氏ができた。



もちろん、それはあの年下の男の子。





今では、登下校とも一緒にするぐらいイチャイチャしてる。




付き合い始めたと聞いたとき、すっごい嬉しかった。


泣いて、嬉しそうに報告する茉莉をみていると、自然とごく自然に幸せだと感じた。



私の願いは叶わなかったけれど、こんな風に喜んでいる茉莉をみるだけで優しい気持ちになれた。





・・・だけど、虚しさは消えない。



彼の事を考えない日はない。






ただ彼の声を聞いただけで、心臓がドクンとはねる。


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