愛してるを心から


雪が降る様を静かに見つめていた彼女に、自然と目が奪われて。



黒くて艶のある長めの髪を横で一つに結んでいる。



後姿しか分からなかったけど、それだけでも彼女の顔が綺麗であるのが分かる。



そんな不思議な彼女はそれからだんだんと、俺の心の中で存在を大きくしていった。





それが、彼女を好きになり始めたきっかけ。





彼女を知った冬。






      ―――――――







彼女は、いつの間にか俺の好きな人になったんだ。



不思議な子から、気になる子へ、そして好きな人へ。



俺の中で形を変え、存在を大きく大きくしていった。





今の裕子は髪型を変え、黒かった髪の毛も茶色くなっているけど








彼女・・・裕子と付き合えたのは、俺の中ではありえない程嬉しいことだった。




もっと、裕子を知れる。




もっと、別の裕子の表情を見られる。




< 228 / 333 >

この作品をシェア

pagetop