愛してるを心から
「吹奏楽だよ、フルートなの」
へへっと、笑って彼を見る。
「そっか、なんか似合いそうー!今度吹いてよ」
机から、私へと目線を換え、彼は笑った。
「お、あったあった」彼は、そういってタオルを取り出した。
その嬉しそうな顔をみていると、自然に心が高鳴る。
「ねぇ、・・・翔」
私は、翔の机に手と顔を置きそう呟いた。
翔は、一瞬吃驚した表情をしたあと、笑って私をみた。
「裕子でいいよ」
彼の目を捉え、私はそういった。
ドクドクいう心臓。
その心臓の違和感を押さえながら、私は彼の返事をまった。