愛してるを心から



具合が悪いんなら、保健室に連れて行かなきゃいけない。



裕子が心配だ・・。



凄く、心配・・。




「・・・―――で、ドロドロになって帰ってったら、母親に怒鳴られてさ!弁当なしとか言われたんだよねー、なぁどう思うよ!翔!」



裕子を見ていた俺の体が、急に強くゆれた。



隣にいた男子が、不思議そうに俺を見つめる。



急いで俺はそいつに笑って「ひでぇーな」と話を繋げると、みるみるうちに表情が笑顔に戻っていった。




「だろっ!?ひでぇーだろ!?体育祭間近で、昼飯なしとか鬼か!て話だよ」



笑いながら怒った風に言う、男子にまた同じように笑ってみせた。



そしてそのまま、横目で裕子の姿を確認した俺は、周りに他の男子がいるにも関わらず、立ち止まって目を広げた。




裕子と星谷が、一緒にいる。




裕子は・・・泣いているのか?






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