愛してるを心から
それなら、星谷に任せた方がいい。
星谷ならきっと、裕子を元気にしてやれる。
泣き止ませてやれる。
俺よりも、星谷のほうが・・・。
俺は、裕子と星谷に背を向けて先に行っていた輪の中に走っていった。
悔しい。
悔しくて、情けなくて、腹が立つ。
裕子にとって、俺は別に必要な人間じゃないんだと言われているようで、無性に腹が立った。
懸命に苛立ちを顔に出さないようにしたけど、きっと今の俺の顔は信じられない程恕をあらわにしているだろう。
強く握った拳が震える。
ちくしょう、ちくしょう!
もう、誰の話も耳には入らなかった。
裕子の事だけで、俺の頭は精一杯だった。