愛してるを心から


それなら、星谷に任せた方がいい。



星谷ならきっと、裕子を元気にしてやれる。



泣き止ませてやれる。




俺よりも、星谷のほうが・・・。



俺は、裕子と星谷に背を向けて先に行っていた輪の中に走っていった。




悔しい。



悔しくて、情けなくて、腹が立つ。





裕子にとって、俺は別に必要な人間じゃないんだと言われているようで、無性に腹が立った。




懸命に苛立ちを顔に出さないようにしたけど、きっと今の俺の顔は信じられない程恕をあらわにしているだろう。



強く握った拳が震える。



ちくしょう、ちくしょう!



もう、誰の話も耳には入らなかった。



裕子の事だけで、俺の頭は精一杯だった。











< 235 / 333 >

この作品をシェア

pagetop