愛してるを心から



その後のリレーの説明も、全く頭に入らない。


裕子・・・。




ちらっと後ろを向けば、裕子が星谷にもたれ掛かっているのが見える。



やべぇー、もう無理かも知れない。



自分でも、抑制が効かない。



我慢の限界って事か・・・。




俺は、顔を伏せて説明中の輪の中から、抜け出した。



始めは小走りで走っていた足が、二人に近づくたびに速度を増していく。




馬鹿すぎるよ、俺。




ほんと、最低だ。



細い白い手を、ギュッと掴んで強く引っ張る。



「え・・・なんで」




裕子の小さい声が聞こえる。


こんな間近で聞くのは久しぶりだ。




凄く、心がざわめく。



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