愛してるを心から


―――裕子side


ねぇ、翔なんであんな事したの?



私、つらいよ。


余計、翔のこと忘れられないよ。






大好きだよ・・。




私は疲れきった足を止め汗で滲む腕で、顔を軽くこすった。


ぜぇぜぇと、息が乱れる。





途中、翔は私を追いかけてくれると思ってた。



そんな馬鹿な期待をしていた。




だけど、結局翔は来ない。



私の期待なんて、もろいガラスのように砕けていった。



「しょうー・・・つらいよ・・・。苦しいよ・・・」



崩れるように、地面へと座り込む。


掴まれた腕が熱く感じる。


まだ残ってる、翔の手の感触。






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