愛してるを心から





私が教室に戻ったのは、それから2時間くらいして。



体育祭間近でも勉強はするから体操服に着替えたり、制服に着替えたりが凄く大変。



まとめてくれればいいのに、そんな苦労も考えてくれない大人たちは明日も明後日も私たちにこのめんどうな作業をやらせるのだろう。



「裕子、何処行ってたの?」



茉莉が、不思議そうに私に聞いてくる。



「グランド暑いから、ちょっと涼みに行ってた」



2時間ぶっ続けで外って耐えられないから、笑ってそういうと茉莉は満足いかないといった表情を浮かべた。



だけどそのうち顔は笑っていって、いつもの茉莉にもどっていった。




・・・良かった。



茉莉、意外と鋭いから気づかれるかと思ったよ・・。


にこやかに笑って、なんとかその場は持った。



心にはもやもやしたものがまだ残ってる。



翔への気持ちをまだリセットできない私は、ただ作り笑いを浮かべるので精一杯。













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