愛してるを心から





透馬は、にこっと笑ってそういった。


透馬は普段笑わない。



だけど、あんなふうに笑われたらなんだかいいものが見れた気分になれる。



苦しくなった心が痛むのを少しだけ癒してくれる。



「え、でも」



「購買のさ、フルーツ・オレ買って。俺、あれ好きなんだよね」




「・・・フルーツ・オレって、可愛い」



意外。



全然合わない。




「ん、うまいじゃん?それに男に可愛いって失礼だ」




透馬は顔を少し歪めて、椅子を元に戻した。



さっきまで向かい合ってた透馬は、私の前で背中を向けて座っている。




私は透馬から目線をずらし、前のほうの席をみつめた。






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