愛してるを心から
「裕子、気にしなくてもいいよ」
近くにいた子が私に言ってくれる。
「ありがとう」
笑ってそう答える。
無理に笑うのって、凄く疲れる。
顔が固定されるみたい。
嫌でもこの顔が作られる。
私は、そのままフルートを演奏し続けた。
出来るだけ、頑張ってみよう。
だけど、もし最後の全体練習でミスをしてしまったら・・・私がでるのをやめよう。
そのくらいの覚悟で、そのくらいの意気込みでやらなきゃいけない。
そうこうしているうちに、全体練習終了。
・・・完璧だった。
吹き終わったあと、鳥肌が立つぐらい、自分に拍手でもしたいぐらいミスが無くて今までで最高だった。