愛してるを心から
と、後ろからガタッと椅子が動く音がしたかと思うと、翔が私の前に立った。
ピタッと当たった、彼の手のひら。
私は、ぎゅっと目をつぶった。
直視できない・・。
これは、重症だ。
「先生、若池さん熱あるみたいです。保健室に連れて行ってもいいですか?」
私から手を離し、先生にそういった翔。
私は、微かに聞こえる声を必死に拾っていた。
「・・ああ、頼む。」
戸惑いながら聞こえた声。
と、同時に私の体が浮いた。
「え、ちょ・・・」
ぼやける視界で、翔を見つめる。
その、真剣そうな横顔が私の抵抗をなくす。