愛してるを心から




「・・・あ、忘れてた」



三人で並んで歩いていると、茉莉が突然立ち止まった。



何?という顔で私と実が茉莉を見る。




と茉莉がアタフタと手を動かし、何か言おうと口をパクパクした。




「どうしたの?茉莉」




「朝、楽器の準備と練習があるんだった・・・」




・・・・・え、あ!




ああああああああああああ!!




そういえば昨日の終わりに河津がそんな事を言っていたような・・。




私は手首に巻きつけていたピンクのベルトの腕時計へ視線を落とす。




「何時?」




「8時10分・・・」



終わった・・・。




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