愛してるを心から
楽器を取りに行き、そこで時間は終わってしまった。
来た時間が短かったからだけど・・。
SHRを終え私達はまたグランドへと行く。
日差しは強く、風はまあまあ。
猛暑に近いこの状態で、行進なんてもんをしなくていいのは嬉しい。
私と茉莉は本部のテントの近くに建てられた別のテントに移動する。
その最中私の目に映ったのは翔。
じっとまっすぐに私を見ていたその表情は複雑だった。
たくさんの感情が絡まっているような表情。
見たことのない表情。
「裕子、早く」
いつの間にか立ち止まってしまっていた足。
私は茉莉の声にハッとして翔から顔を逸らして足早に通り過ぎた。