愛してるを心から
どうしたらいいのか分からない。
翔に声を掛けることすらできない。
する資格すらあるのか分からない。
別れたら今まで築いてきたものが一気に崩れてしまって、それを建て直すのに時間がたくさん掛かってしまう。
今の私には立て直す力がまだ持てない。
たった一時の事なのに、翔のことが頭から離れなくなった。
ごちゃごちゃした感情が更に複雑に絡まる。
きっと今の私の顔はあの時の翔と同じ顔をしている。
演奏中もずっと翔のことしか考えられなかった。
「よーい・・・スタート!」
準備体操も終わっていよいよ体育祭に入っていく。
「河津、結局こなかったねー」
「あんだけ私らに言ってたくせに自分はなんだよって感じ」
一緒に演奏していた子達がそういって笑っている。