愛してるを心から
1・2組ともいい勝負。
3組は追いつけてない状態で6走者まで行く。
「頑張って!頑張って!」
7走者の手にバトンが渡る瞬間。
私の心臓が激しく動き出した。
翔・・・。
ザッと砂煙が上がる。
勢いよく走り出した翔。
ぐっと足の上に置いていた手を握る。
“ 頑張れ ”
“ 頑張れ、翔 ”
「―――頑張れ!」
私の発した声のすぐ後、大きな歓声が響いた。
抜いた!
翔は、ずっと向こうに離れていた2位を抜き、1位に迫っていた。